【中編】収穫量が1割減っても。石巻の契約農家様と守り抜く、ササニシキという難しい米

【中編】収穫量が1割減っても。石巻の契約農家様と守り抜く、ササニシキという難しい米

【中編】収穫量が1割減っても。石巻の契約農家と守り抜く、ササニシキという難しい米

 

前編では、ササニシキという米が誕生から今日まで歩んできた、希少で美しい歴史についてお話ししました。中編では、この米と実際に向き合う「現場」の話をしたいと思います。栽培の厳しさ、そして石巻の契約農家様との関係についてです。

 

100の面積で育てても、収穫量は9割

 

ササニシキは、栽培がとても難しい品種です。同じ面積の田んぼで育てても、他の品種に比べて収穫量が1割ほど落ちてしまう。これは農家にとって、決して小さな数字ではありません。

茎が細く倒れやすいこと、いもち病や低温に弱いこと。手間をかけても、収量という結果に直結しにくい。だからこそ、全国的にも、そして宮城県内でも、ササニシキを選んで栽培し続ける農家は、年々少なくなっているのが現実です。

 

石巻の農家様と、直接契約する理由

 

だからこそ島津麹店では、石巻の農家様を厳選し、直接契約させていただいています。市場を介さず、できるだけ高い価格でお米を買い取ること。それが、この難しい米を育て続けてくださる農家様への、私たちなりの敬意の示し方だと考えています。

私たちが契約している農家様は、他の農家様よりも肥料を入れる量と回数を増やし、土づくりに強いこだわりを持っていらっしゃいます。効率を求めれば手間を減らす方が合理的です。それでも品質を追い求める姿勢に、私は深い敬意を抱いています。

一番お世話になっている農家の三浦さん、「本当にありがとございます!!」
そして、ササニシキ米を作り続けている農家様方「本当にありがとうございます!!」
本当にリスペクト。
農家様や消費者どちらも納得できる新価格へと時代が進む事を切に願います。

石巻のササニシキ米を、これからも守っていきたい。
それは私個人の願いであると同時に、島津麹店という会社としての、明確な意志でもあります。将来的には、私自身が農家として土地に立つ日を迎えられるよう、現在は土地の選定と栽培の勉強にも取り組んでいます。

 

減り続ける、ササニシキ農家様

 

かつて全国第2位の作付面積を誇ったササニシキですが、栽培の難しさから、今では作付面積が全国のわずか1%にも満たないと言われています。宮城県内においても、栽培する農家の数は年々減少を続けています。

需要があっても、それを支える作り手が減っていく。これは、私たちのような小さな糀製造所にとって、決して他人事ではありません。だからこそ、石巻でササニシキと向き合い続けてくださる農家様の存在は、島津麹店にとって何にも代えがたいものなのです。

 

農家様への、敬意という約束

 

直接契約という形を選んでいるのは、単に良い原料を安定して仕入れるためだけではありません。手間のかかる仕事に対して、正当な対価をお支払いすること。それが、この難しい米を未来へつないでいくために、私たち糀屋にできる、いちばん誠実な関わり方だと思っています。

丁寧に育てられたお米には、丁寧に応える。私たちはこの姿勢を、これからも変えるつもりはありません。

 

精米は、上白精米へ

 

農家様から届いたお米は、島津麹店の職人の手によって、上白精米という削り方で丁寧に精米されます。米の外側を通常よりも多く削ることで、雑味のもととなる部分を取り除き、糀にしたときの香りと味わいを、より澄んだものに仕上げていきます。

 

セイロで蒸す、という選択

 

多くの糀屋が効率を優先する中、島津麹店では今も、セイロでお米を蒸すという昔ながらの製法にこだわっています。セイロで蒸すことで、お米一粒一粒がふっくらと「立つ」のです。外側はわずかに固く、内側はやわらかい。この理想的な蒸し上がりこそが、麹菌がしっかりと繁殖できる土台になります。

浸水の際は、水温を1℃単位で管理し、その日の気温や水温に応じて浸水時間を細かく調整します。さらに蒸し上がった後の水切りにも徹底してこだわり、水分が多いと感じたときには、綿で丁寧に拭き取ることさえあります。

大量生産には不向きな方法です。効率だけを考えるなら、機械蒸しに切り替えた方がはるかに早く、安定します。それでも私たちは、収穫量が少なく、扱いも難しいこのお米に対して、同じだけの手間をかけることこそが、糀屋としての誠意だと考えています。

石巻の農家様が、収量を犠牲にしてまで守り続けてくださったお米です。
その一粒を、私たちも手を抜かずに蒸し上げる。この工程を疎かにしてしまえば、農家様の努力そのものを裏切ることになると、私は思っています。

 

次回予告

 

後編では、実際にこの手間をかけて仕込んだ糀の香りや味わい、そして「お米アレルギーが出にくい」と言われるササニシキならではの特徴、島津麹店の商品づくりへのつながりについて、詳しくお話しします。

 

島津麹店  六代目

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